2022.06.21 ブログ

安全保障と価値観を共有する国とのパートナーシップ

2月24日にロシアによるウクライナ侵略が始まった時、国連の中でも衝撃が走りました。私は、安全保安担当の事務次長補付特別補佐官として、現地にいる国連職員の安全の確保や事務総長への随時状況報告をサポートする立場にありましたので、すぐに緊急対応にあたりました。


ウクライナの地図を広げながら、攻撃や攻勢があるところを追い、安全保安担当事務次長補・事務次長に侵略の状況を分析・報告すると同時に、ウクライナ各地にいる国連職員とその家族の安全を確保するための調整・連携業務を担いました。数分おきに入ってくる現地の情報とその状況を地図で表す作業を通じて、侵略の状況をその場にいるかのように感じました。侵略開始直後に、上司に対して自分のウクライナ入りを志願しましたが、ニューヨークからの24時間体制の対応も必要という理由から、現地入りは叶いませんでした。


この経験から、私の中で国連と国際社会のあり方に対する疑問が生じました。


国連は、第2次世界大戦後、2度と同じような戦争を起こさないという決意のもと生まれた組織です。このため国連は、常に対話と外交を通じて、世界の平和を維持することを目指してきましたが、今回はロシアによる侵略を抑止できませんでした。この侵略により国連の存在意義や体制が再び注目されるようになりましたが、ウクライナのほかにも、安全保障理事会での常任理事国の拒否権行使などにより国連が関与・抑止できなかった安全保障・人権問題はたくさんあります。


これまで国際社会が各国の安全保障と人権に対する懸念の解決を後回しにしてきたために、今回のロシアによるウクライナ侵略も抑止することができなかったと私は感じています。国際社会が、ルールに基づく国際秩序や、自由・民主主義・法の支配への脅威に、一丸となって対応しなければ、今後もウクライナの侵略の様な事例が起こる可能性は大いにあります。


地政学的に見ると、日本にとってもウクライナ侵略は対岸の火事ではありません。今回の国際人道法への違反・戦争犯罪に対して国際社会と足並みを揃え、毅然と対応することに加え、日本を取り巻く脅威を現実的に直視し、しっかりと自国を守る体制を強めることが必要です。


これを踏まえ、私えりアルフィヤは、以下の政策を提案します:


日米同盟を更に強化する
憲法に自衛隊を明記する
防衛費を、GDP比2%を目指して増強する
価値観を共有する国とのパートナーシップを強化する
日本の普遍的価値観を積極的に対外発信する


-日米豪印クワッド、2+2、両国間協議、多国間協議などの継続的な推進
-国連安保理非常任理事国としてのリーダーシップの発揮
-ファイブアイズなどとのインテリジェンスの共有と協力推進
-台湾との関係強化


平和を維持するためには、継続的な努力と投資が必要です。平時には対話と備えが必要であり、有事には自国の平和と安全を守る力が必要です。わが国の平和を維持するためにも、今こそ憲法に自衛隊を明記し、日米同盟を更に強め、防衛費を増加する必要があります。