2024.12.11 国のこと

初の公務出張でカンボジア王国を訪問

11月23日から26日まで、外務大臣政務官として初の公務出張でカンボジア王国を訪問しました。
対人地雷禁止条約(通称:オタワ条約)第5回検討会議のハイレベル・セグメントへの参加や、フン・マネット・カンボジア王国首相との対談など、実り大きい訪問となりました。
支えてくださった日本政府代表団、大使館各位に心から感謝申し上げます。
訪問の結果・詳細のご報告です↓

24日、シェムリアップにおいて、日本の支援により建設中の地雷対策平和博物館で開催された日本とカンボジア地雷対策センター(CMAC)の共催イベントにて日本政府を代表してスピーチを行いました。
その中で、①国際社会における地雷問題の理解促進及び啓発、②我が国が企業とも力を合わせオールジャパンとしてカンボジアの地雷対策を支援してきたこと、③その延長線として今や日本とCMACがウクライナなどの第三国への能力強化支援を始めとする三角協力を展開するにまで至ったことなどを訴えました。
スピーチ後、世界各国から参加した代表団の方々に「日本は地雷対策のスーパースターだ」、「日本のおかげで自国の地雷対策が大幅に前に進んだ」、「日本大好き!ありがとう!」などのお声をいただき、地雷対策における我が国の貢献が国際的に高く評価されていることを肌で感じました。

25日、リー・トーイッ上級大臣兼カンボジア地雷対策犠牲者支援庁副議長が議長を務める対人地雷禁止条約(通称:オタワ条約)第5回検討会議のハイレベル・セグメントに出席し、ステートメントを行いました。
同ステートメントにおいては、①我が国が「人間の安全保障」の理念の下、普遍化の取組を始めオタワ条約に貢献してきたことに言及するとともに、②締約国に対しオタワ条約の遵守や着実な履行、条約への新たなコミットメントを呼びかけました。
また、会議期間において、ミルアド・ビン・ラアド・ビン・ザイド・ヨルダン王子殿下を始め、複数の要人との間で、オタワ条約下での協力推進等につき有意義な意見交換を行うことができました。

同じく25日、フン・マネット・カンボジア王国首相を表敬し、両国関係、安全保障、経済及び民主的発展につき有意義な議論ができました。
フン・マネット首相は、今回の訪問を歓迎する旨、長年の協力で培われた両国関係をさらに強化していきたい旨述べました。
これに対し、私から、カンボジアとの「包括的戦略的パートナーシップ」の下、両国間の協力を強化していきたい、「新たな協力アプローチ」に基づき、5Gなど基幹通信インフラ整備を含むデジタル分野、シハヌークビル港整備及び地雷対策の分野における協力を推進していく旨、述べました。


26日、イアット・ソピア・カンボジア王国外務国際協力省長官と会談しました。
イアット・ソピア長官は、日本・カンボジア両国の「包括的戦略的パートナーシップ」の下、二国間関係と地域・国際場裏における協力を強化していきたい旨述べました。
これに対し、私から、両国による世界の地雷対策における協力に言及した上で、そうした協力の基盤のある両国だからこそ、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、協力を強化したいと伝えました。
また、拉致問題を含む北朝鮮問題、ミャンマー情勢、中東情勢、人権・民主主義などの地域・国際場裏における課題についても議論しました。
ソピア長官はご自身のお嬢様と私が同い年であることにも触れられ、とても温かな雰囲気で対談することができました。

26日、1992年から93年にかけてのカンボジアにおける国連平和維持活動の中で命を落とされた故中田厚仁氏(国連ボランティア)及び故高田晴行警視(国連カンボジア暫定機構・文民警察官)の慰霊碑に献花させていただきました。
故中田国連ボランティア、故高田警視のご生前の異国での貢献に心から敬意を表すと共に、謹んで哀悼の意を表します。

他にも、上智大学(アンコールワット)及び日本国政府アンコール遺跡救済チーム(バイヨン遺跡)の遺跡修復活動を視察し、世界遺産を維持・修復する上での日本の技術力・現地文化への配慮・貢献度の高さと、その結果による現地での好感度や存在感の大きさに感銘を受けました。
また、プノンペン在住の日本企業等関係者との懇談(浦安・市川からの方々含め、日本企業関係者のカンボジアでのご活躍を大変誇らしく思いました)や、日本のODA(なんと北九州市からのサポート)によって整備されたプノンペン下水処理場も視察しました。
様々な分野で日本がカンボジアと共に歩み支え合っていることを確認し、日本人として改めてわが国の国際貢献を誇りに思うと共に、国際秩序が乱れる中、カンボジアを始めとする世界中のパートナー国との関係を大切にし、日本の国際的なプレゼンスを更に高める可能性と必要性を強く感じた公式訪問でした。

このような機会をいただいたこと、そして公式訪問が実現するよう不在中地元で支えてくださった支援者の方々や事務所スタッフや、出張中丁寧に支えてくださった外務省職員各位に心から感謝申し上げます。
今後もわが国外交のため、更に勉強を重ね、尽力してまいります。ありがとうございました。